今日は、自転車を清澄通り沿いに北上させましょう。

そこに登場するのは、カトレアさんです。
「自転車で行けるパン屋さん通信」12号かつ「シリーズ老舗ーその2」です。

カトレアさんはもう説明の必要はありませんね。明治10年創業の老舗です。
そして、皆様ご存知のように「みんな大好きカレーパン」の発祥店です。カレーパンは昭和2年からだそうです。

朝一だったので自転車はここに置きましたが、お店や通行の方々の迷惑にならないように置きましょう。

店内

同じ大きさのトレーに載せられたパン達。整然としてとても選びやすいですね。
お総菜パンもたくさんあります。

そしてカレーパン。

お店の女将さんから「これは撮ったほうがいいわよ」と言われたのが以下の3枚です。

揚げ上がりのカレーパン

網のベッドに載った油の中から出てきたばかりのカラーパン達。奥にはその前段階がたくさん。

(他では言われることのない「撮ったほうがいいわよ」という女将さんの嬉しいお言葉に歓喜のあまりピンボケ。スミマセン)

出来上がりを丁寧に袋詰めです。

ここでカレーパンについて少し・・・

NHK「チコちゃんに叱られる」でも扱われていましたが、カトレアさんはカレーパンの発祥店です。

大正から昭和にかけて洋食ブームがあったそうですが、関東大震災のために食うや食わずの生活になり、それどころではなくなりました。
カトレアさんも全壊したそうです。

それでも店主さんは奥様(「チコちゃんに叱られる」の再現ドラマでの美人奥様は病床にありました。演出上?)や皆さんの笑顔を見るために、人気洋食のカツレツに似せたパンを考案。でも外見だけで味気ない。試しにやはり人気洋食のカレー(一日置いて水分の抜けた)を中に入れて油で揚げたら大成功!

カツレツ30銭に対してカレーパン8銭!たちまち人気商品になったそうです。

ただ、「我こそはカレーパンの考案者である!」との御主張は他にもあるようです。

練馬のデンマークブロートさんのカレーサンドを揚げたものこそがルーツ説や新宿中村屋さんがイギリスから指名手配されていたインド独立革命家のラス・ビハーリ・ボース(同じインドの独立革命家スバス・チャンドラ・ボースと混同しないでね。有名だけど時代が違うねん)を匿ったのがきっかけで考案した説があるそうです。

今回購入したパン達

フレンチトーストレーズンデニッシュ

フレンチトーストの中には煮リンゴがどっさり。そして紅茶風味です。

深川あんぱん

デニッシュタイプのオシャレなあんパン。あんこたっぷりのケーキという感じです。

ぶたまん

ちっちゃくて可愛らしいけど、ゴロゴロとした極粗挽きお肉がぎっしりジューシー。大満足!

そしてカレーパン

左が元祖カレーパン。右が辛口カレーパン

一般的なカレーパンは、生地が薄っぺらで噛むと潰れてしまい、カレーがネッチョ~と出てきてしまうことがあります。そして食べ終わった後に残るのは、今度はベチョッとした油の味。

でもカトレアさんのものはそのようなことはありません。たっぷりと入ったカレーは噛んでもあふれることはありません。それは、カレーに負けない、いやっ、それ以上にふくよかなパン生地が全体を包み込んでいるためだと思われます。
まさに、パン&カレーを食べている感覚です。

もちろんカレー自体もとても美味です。
女将さんがくださったパンフレットには「人参・玉葱などの野菜がたくさん入っています。高級なサラダ油、綿実油などで揚げていますのでモタレ感がなく、健康にも大変良い食べ物です」と書かれていますが、確かにお腹がもたれる感じは全くありません。

実は、写真以外にも購入していただきました。朝食も兼ねていたので。

そのようにして他のパンもいただいて気が付いたのは、「カトレアさんと言えばカレーパン」というイメージをこちらで勝手に膨らませていましたが、そのイメージは完全に崩れるということです。すべてのパンが上質だからです。
逆に、他のパンも上質でないとカレーパン自体の評価も落ちていくのではないでしょうか。

いわゆるお高く高級なハード系パンはありませんし、カレーパンも高級品ではなく庶民の食べ物です。蒸しパン、ベーグル、総菜パン、いわゆる菓子パン等々もそうでしょう。ハイソな感じはしなくても、それぞれがしっかりと作られた上質なパン達。そしてごく普通に毎日買いに行ける雰囲気を持つ昔からある良質な町のパン屋さん。

それらが全て融合しているからこそ、「老舗」の暖簾を出し続けることが出来るのでしょうね。
カレーパンだけに依るわけでは決してないでしょう。

評価されるもの、目立つもの、秀でているものは異なっているのは当然です。でも、大切なのは全体としてどう見るか見られるかだと思います。お店でも、そして人でもその一点だけしかないのであればそれだけで十分でしょうが、そうゆうわけにはいきません。

毎日心地よく傍らに居てくれて、気が付くと何よりも良質な長年の歩みがある。そのような存在が愛され続けていくのでしょうね。それこそが「老舗」なんでしょうね。

私自身もそのようになりたいものです。(まあ、無理だね・・・)

住  所:江東区森下1-6-10 清澄通りに面しています。
営  業:平日7:30~18:30
     祝日7:30~18:00
     カレーパン揚げ上がり時刻 7:30・11:00・15:00     
定 休 日:日曜日・月曜日

それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」


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