上の画像は、パンの袋を縛る商品タグです。可愛らしいのでアイキャッチ画像に使いました。

今回のパン屋さんは、木場公園からすぐです。自転車で行く必要もありませ~ん。
公園に面した三つ目通りの一本だけ西側の路地にあるからです。
(と言いつつも、下の写真の左下隅に私の自転車が写っています・・・)

お店の名前は「あひるのパン屋さん」! なんだか不思議~・・・ですね。

そしてお店のディスプレーも・・・

やっぱり不思議~。

うん? この雰囲気? どこかで・・・。あっ、「パン・ソロ」さん!(14号)

そしてそして一番不思議なのは、あひる君・・・

青空が奇麗だ~。あひる君が飛んでいきそう。

でも、お店のドアを開けると、不思議ではなく、気さくでありながらも上品な雰囲気の初老のご主人が出迎えてくださいます。

店内は、古風と言いますかオシャレ感が全くありません(すみません)。店内撮影の許可を求めると「NG」と言うことでした。
無神経な拡散や自己中心的なSNS等で迷惑を被っておられるのかもしれません。

でも、店主さんは、何回も「お役に立てなくてすみません」とおっしゃってくださいました。店外の撮影はOKだとのことなので、上の写真です。

本当に優しくてご親切な店主さんで、この日は、食パンは昨日のだからと割り引いてくださり、パンも一つサービスしてくださいました。
別の日も「雨の中を有難うございます」とまたまた可愛いくて丸い小さなパンを幾つもサービスしてくださいました。

その優しさは、続く「購入したパン」をご覧になっていかれてもお分かりになると思いますが、文字通りそれはあふれんばかりです。特に最後の方・・・。

購入したパンたち

あんぱん

こしあんで塩漬けの桜花のおへそ付きです。あんこがあふれるほど入っています。そして、「普通」に美味しいです。

カレーパン

揚げていないタイプです。カレーがはみ出ているものを選んでいたら、袋詰めの際に「あっ、これはみ出ちゃっていますね」と自ら選んだ奇麗なパンに替えてくださいました(素敵な気遣い!)。これもちょっとカレーを入れ過ぎじゃない、と言うくらいに本当にカレーたっぷり過ぎです。噛みしめてもパンが潰れることなく、しっかりと作られたものでした。
辛さだけが尖ってしまっているいわゆる「辛口」を名売ったものとは違い、酸味も含まれていて全体のバランスがとてもいいと思います。ちょっとカレーライスで食べてみたいです(カレー屋さん評論か?)。と思っていたら、ウソかほんとか分かりませんが、店主さんは「これ、バーモントカレーだよ」。・・・。

レーズンデニッシュ

同じパン屋さんのものか?と感じるくらい別物でした。外側さっくり、中もべっとりしていない。パンと言うよりパティスリーのデニッシュです。
これまたレーズン入れ過ぎと言うくらいたっぷり入っていました。

ベーコンエピ

通常のベーコンエピよりも生地が柔らかめです。そのため口に含むとベーコンの味と香りがパン生地全体に広がっていきます。

食パン

とにかく重いです!
つまりとてもしっかりした作りと言うことです。フワフワした流行の高級食パンとは一線を画します。昔ながらの作りです。
繰り返しますが、とにかく重いんです。
トーストすると表面はパリッ、中は確かな歯ざわり舌触りを感じ取ることが出来ます。甘みより塩味を感じます。

マフィン

これもセピア色の時が思い出されるような昔ながらの素朴なお味です。本当にほっとするマフィンです。

あんバター

これも重い。ドッシリと重過ぎる!
その理由は・・・

餡とバターが、もうやけくそというくらい入りまくっているからです!
本当にあふれちゃってます!

でもこれで驚いてはいけません。 次!

ブドウパン

切ると・・・、

ドッヒャ~! 
凄い、凄過ぎる! 食パンの形に丸められたデニッシュの生地と生地の間が、レーズンだらけ! 本当に入れ過ぎの過ぎ!レーズンが完全にあふれちゃってます!
砂糖のアイシングと一緒に口に入れるともうこれは完全にスウィーツ!
あまり数が無いので(と言いますか、これでは数を作れませ~ん!)、棚に並んでいれば絶対に買いです!
本当にこれは凄いぞ~!

そして、スウィーツついでに・・・
アップルパイ

切ると・・・

アップルコンポートがド~ン!ドッサリとあふれ、こぼれています!
6号なんですが、直径18㎝越えの20㎝弱。
コンポートの底には甘さをギリギリまで抑えたカスタードクリーム。これが巧みな仕事をして、全体に甘過ぎず、酸っぱ過ぎないまろやか~な丸い味を作り出しています。
もう食べだしたら止まらない! 「美味しい」と言うよりも「旨い!」というアップルパイです。
友人は、「今まで食べたアップルパイで一番!」と言っています。

流行りのブーランジェリーとはとても言えないお店の雰囲気とパンそのものなんですが、普段食べるにはこのようなパンがいいのではないでしょうか。
子供のころから当たり前のようにあって、特に意識することも無く日曜日の朝に食べていた。大人になり、そこを離れてから、「あっ、あのおじいちゃんのパンが食べたい」と思わせるような市井のベーカリーという感じです。
決して高級ではないんですが、一つ一つ丁寧に良心的に作っておられると思いました。

細やかさと鷹揚さが心地よく混在する、そんなお店だと思います。

帰り際には、バギーを押したお婆様がお一人で買いにみえていました。

でも、ここの初老のご主人、実はハイカラでシトロエン(フランスの自動車)フリークなんです。ディスプレーの写真にもその文字が見えますね。

愛車もなんとシトロエン2CV! お店の右側車庫に入っていますね。失礼と思い、お車の写真のアップは撮りませんでした。

御存知の方は「へ~」と言われると思いますが、シトロエン2CVとはそれほどの車なんです。クラシックカーですから運転するのは大変だと思うんですが、乗り回しておられるそうです(最近はご自身の体調を崩してしまわれ、回復を待ってからとのことです)。

お店の名前とあひる君の大きな看板もシトロエン2CVと関わるそうです。シトロエン2CVの愛称が「あひる」だからだと話してくださいました(昔のフォルクスワーゲンもカブトムシという愛称でしたね)。

そして、実は看板のデザインも2CV愛好者の絵本作家・色鉛筆画家の今村幸治郎氏の作だそうです。
冒頭のアイキャッチ画像の商品タグにもアルファベットで氏の名前が書かれていますね。

とっても良い店主さんとお店でした。

(2CVは高級車ではありません。農家の方でも使いやすいようにとのコンセプトで作られた車で、「農民車」とも言われているそうです。スタジオジブリの宮崎駿監督の愛車も2CVだそうです。宮崎駿監督の「カリオストロの城」では、追っ手から逃げるクラリス姫が自らハンドルを握っていたのが、やはり2CVでしたね。高級車ではなく庶民車の中の庶民車で姫が逃げるというのが映画プロットのポイントの一つとなっていますね。)

 あひるのパン屋さん
 住 所:江東区平野3-2-10 三つ目通りから一本西側の路地
 営 業:不定休 11:30~


それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」


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