今日は、木場公園のすぐ南東側にあるいわゆる「洲崎」の中をポタリングしてみましょう。

「洲崎」という町名は今は地図にはありませんので、地元の方以外はお分かりにならないかもしれませんね。

でも、大胆な鳥観図「深川洲崎十万坪」を歌川広重が「名所江戸百景」で描くほど昔からよく知られた場所なんです。
「洲崎」として知られている範囲はその頃とは異なるようですが、私の知る限り現在そう呼ばれる地区内には2件のパン屋さんがあります(もう一軒も後発号でご紹介しますね)。

その昔、洲崎は遊郭として知られていました。少し前までも、玄関で靴を脱いであがると廊下にお太鼓橋があるアパート(つまり元遊郭。お太鼓橋は靴下が滑って登れない!)が建っていたほどDEEPなエリアなんです。

そんな洲崎のひっそりとした裏路地にDEEPなパン屋さんパン・ソロさんがあります。

えっ?街中にある普通のパン屋さん?いえいえ、ディスプレーをご覧ください。

ちょっと、一部をカットせざるを得ない画像です(カットしました)。
これはパン屋さんではな~い! DEEPというよりアングラかもしれません。

それにお店のお名前。 パン・ソロ? うん? ハン・ソロ? ディスプレーの下の方にもその箱が写っていますが、こちらのご主人はスターウォーズフリークなんでしょうか? はたまた、ハリソン・フォードのファンなんでしょうか。遠いところの方はミレニアムファルコン号が調達できれば、ぜひワープしてお出でくださいませ。大喜びされると思います。

でも、お一人でお店を切り盛りされているこちらのご主人は「とっても気のいいおっちゃん」と言う感じの本当にフレンドリーな方です。レシートだって、ほら。

ご自身を「怠け者」と名乗っておられます。

まっ、それはともかく店内の写真を。

試食コーナーもあります。

(なぜかカタカナの「パン」とひらがなの「ぱん」が交じっています。「骨ぱん」も買うべきだった)

とっても可愛らしく近づきやすい雰囲気のお店ですね。ご主人が意識して作り上げたというよりも自然とこのような雰囲気のお店になったのだと思います。
また、ご近所の方が特別に意識することなく気軽に訪れることの出来るパン屋さんです。
気が付くと、こちらでお店を始められてもう3年以上経ちますものね。

意識することなく気軽に訪れられるのはその雰囲気だけが理由ではありません。パン自体も当然その理由を生み出しています。
お総菜パンが充実しています!

今回購入したパンたち

焼きそばパン

焼きそばが溢れてる! 味付けは割とさっぱりですので溢れる量でもOK。

ピザパン

生地はピザではありません。パンです!でも、具材がタップリ乗っています。

ごぼう

ごぼうだぞ~!マヨネーズ風味に和えられた具材はパンに織り畳まれているので見た目よりたっぷりと入っています。

サバ

今度はサバだぞ~!トルコにはサバサンドがあるらしいですが、洲崎にもあるんだぞ~。表面にはチーズがかかっていてサバと何の違和感も無くマッチ。

イチジク

プチプチが入ったジャム!イチジクは珍しいですね。

ブルーベリー

今度は目の健康のためにブルーベリー。やはり見た目と異なりジャムたっぷりです!

チョコバナナ

やっぱりこれも表面からは分かりにくいのですが、チョコがたっぷりなんです!バナナが可愛く乗っていますね。

そして、驚くべきはこれらすべてのお値段!

売れ残っちゃったのだって

なぜか飲み物も

とにかく安~い!上載の写真の具材たっぷりのパンたちが全てこのお値段!大丈夫デッカ?

開店当初はSNSにこのような投稿もされていました。

小麦・光熱費が大変高騰する中、致し方なく何回かの値上げをされましたが爆安のお値段でお店を続けてきてくださいました。

アルフレッド・アドラー(精神科医・心理学者)は、「意識と無意識の間に明確な境界線は無い。どちらも同じ目的に向かっている」と書いています。
(以下の文章は、この言葉の本来の適用とは多少異なっていると思いますが・・・)

パン・ソロさんのお店の醸し出す雰囲気も具材とバラエティの豊かなパンも、そして訪れるお客様にも「特別感の意識」という言葉は当てはまらないように思われます。

自ら「パン作りは素人」とおっしゃっているように「絶対に優れたパンを作ろう。そのパンをたくさん売ろう」との強い意識は無いように思われます。またお客様の側も「今日はパン・ソロさんにパンを買いに行こう」との強い意識をやはり持たずにごく自然に来店されるのだと思います。

そんなふうにして「作る・売る」と「出かける・買う」が成り立っているのではないでしょうか。なんとなく気が付いたらそうなっていたと言いますか。無意識に近い意識、意識に近い無意識でお互いが築き上げてきたと言えるのではないかなと思います。

意識的にせよ、無意識的にせよ、お店とお客様が全く同じ目的に力をも入れずして向かっているとでも表現したらいいんでしょうか。少し大げさかな・・・。

でも、これは絶対に強いです。
だからこそひっそりとした目立たない洲崎の裏路地でも続けられてきているのだと思います。

ぜひ皆様も行かれてみてください。

ただし! 急いでください!

なぜなら
(下記の予定は2024年です)

こちらのご主人、毎年 夏は旅に出られちゃうんです。

旅のお供、ご主人の愛車YAMAHA SEROW250です。35年のロングセラーでしたが、ついに生産中止になってしまいました。225CCの中途半端な排気量モデルの期間が長かったですけど、名車ですよね。 どうぞお気を付けて、今年も楽しんでいらしてくださいませ。

住 所:江東区東陽1-25-12
 洲崎のマイバスケットのちょうど真裏ですね。
 そう、あそこです。以前はあのお店です。こじんまりとしているのにお店のおじいちゃんに言うと、お店の奥からゴソゴソと何でも出してきてくれるワームホールの様な不思議な文房具屋さん。
やっぱり不思議なお店はスパイラルするんでしょうか。

営 業:水曜日・祝日を除くAM9:00~

それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」


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