ついに登場!ドイツパン屋さん!それも本格的です!
本当のドイツパンです!
なぜなら、「何人ものドイツ人マイスターからの教えを忠実に守り、パン作りをしている」(KLEINER BÄCKERのご主人)からです。
そして、後述しますが、私のドイツパンのイメージが幾つも覆されました!(単なる無知だったのです・・・。)

今年(2026年)の1月にオープンしたばかりです。
穏やかながらも気さくで近づき易い素敵なご夫婦が切り盛りしておられます。
お店のお名前(KLEINER BÄCKER)には、「小さなパン職人」という意味がおありで、「これから大きくなる」という願いが込められているそうです。
まずはお店の中。
カウンターやパン棚は白木を基調としたシンプルで清潔感のある雰囲気です。
棚の高さと幅もちょうどいい感じです。

それぞれのパンに統一感を持って付けられているポップの簡明な説明も親切で楽しいですね。




冷蔵庫の中にもパンたちが、

それにしても種類が多い!
実際、ドイツパンは世界で最も種類の多いパンと言われているそうです。
では、その中の代表選手からご紹介。
ブレッツェル

独特の歯ごたえがあります。それも場所によって異なります。噛みしめていくと舌の先ではなく奥の方で膨らんでいく何とも言えない旨味。これが口内に留まります。う~ん、美味い!この旨味を洗い流し、さらなる一口を招き入れる役目は当然ビール!
ケーゼ・ブレッツェル

真ん中にチーズ(モッツァレラ)の池が3つ。この焼かれたパリパリチーズが強すぎることなくブレッツェルの旨味と一体です。ビールをもう一杯お願いしま~す!
さらにさらにやっぱりビールのお供。
カイザーエメンタール

さすが奥深いドイツパン。上記ブレッツェルとは全く異なる生地です。歯ごたえは優しくおとなしめです。でも、そのためにチーズの風味が際立ちます。
代表選手と書きましたが、ドイツパンといったらやはり「黒パン」です。
ラントブロート

ドイツパンにも「田舎風の(ラント)」というパンがあるんですね。週末にだけ「ライ麦80%」のこのパンを購入することが出来ます。
ライ麦80%というと、食材を乗せて食べるいわゆる「食事パン」のイメージがあります。もちろんそうなんですが、そのまま噛みしめてもとても美味しいです。と言うよりも爽やかさえ感じます。サワードゥによる酸味はあるのですが、思ったほどその主張が強くなく、柑橘系のような酸味です。爽やかさを感じるのはそのためなのでしょうか。
そのわけをお聞きすると、「う~ん・・・」と少し考えておられました。
つまり、KLEINER BÄCKERさんにとっては「当たり前」ということなのだと思います。これが、冒頭に書いた「覆されたイメージ」(イメージの転換)のその一です。
つまり・・・、
①爽やかさを感じるほど食べやすい
ここでうんちくコーナー
一般的に言われているドイツパンの特徴
・ライ麦主原料が多い つまり、いわゆる「黒パン」がメイン
ライ麦の含有率によって、
ロッゲンブロート、ロッゲンミッシュブロート、ミッシュブロートなどに分類されます。
・サワードゥによる発酵のため酸味がある
・その発酵ゆえもありますが、ずっしりとした密度感
・ライ麦由来の栄養価が高い
これらの特徴故に、「そのままで食べやすい」というイメージを持っていませんでした(すみません)。なんだか酸味が強くて・・・、歯ごたえが強くて・・・、重厚感が目立って・・・という感じです。
でも、KLEINER BÄCKERさんの本格的ドイツパンは違うのです。本当にそのままでもとても食べやすいのです。
「たぶんそれは国産麦を使っているからでしょうか」と奥様。「サワー種(サワードゥ)の温度管理にかなり気を遣っているからでしょうか」とご主人。
マイスターたちの薫陶を胸に、KLEINER BÄCKERさんがきちんと丁寧に作る本当のドイツパンは魅力いっぱいなのです。
ちなみにサワードゥは自家製と購入品の両方を用いておられるそうです(サワードゥの管理って大変なんですよ。ちょっとだけ17号参照)。
そして、イメージの転換その二
②小麦のみのパンもある
ドイツパンと言ったらライ麦使用の黒パンというイメージは間違っていました。というよりも最初に書きましたが、単なる私の持つ情報の浅薄さ。私の無知です。
実際、ヴァイツェンブロートと言われている種類は、ほとんどが小麦で作られているそうです。
そして、ドイツ南部に行くほど小麦の比率が高くなるようです。
KLEINER BÄCKERさんは南部ドイツパン系統だそうです。
すでに上で紹介したパンにも小麦のみのパンがありますよね。
イメージの転換その三
③バラエティの多さ
これも既述しましたが、ドイツパンは世界一の種類の多さを誇るんですね。知りませんでした(だからあんたの無知)。
KLEINER BÄCKERさんの店内に入って、本当にびっくりしました。こんなに種類が豊富なんですね。
単に、具材による種類の豊富さではなく、パン生地による多彩さがあります。
それはやはりライ麦だけでなく小麦も使いこなしているからだと思います。
なので、豊富な種類のパンのご紹介は続きます。
ファイゲンブロート

ライ麦60%ですが、やはりこのままでもとても美味しいです。噛みしめていくとほのかな苦み。そしてそれが甘みに変わっていきます。イチジクの風味が混ざり合い何とも言えない美味しさです。
クロワッサン

佐賀県産小麦の「幸香」(さちかおり。日本で初めてフランスパン用に開発された小麦だそうです)と北海道産小麦の「春よ恋」のコラボレーション。
フランスパン用の「幸香」を使っていても、これはドイツのクロワッサン!外はザクザク、中はズッシリです。軽いクロワッサンではありません。しっかりとした、噛みしめ味わうべきクロワッサンです。そのように噛みしめていけばバターの香りもしっかりと鼻腔をくすぐります。
カリーヴルスト

ドイツではソーセージをカレー風味で食べることが多いそうです。ですからまさにドイツ風パン。ソーセージはものすごくジューシーです。その肉汁とザワークラウトの酸味をカレーがまとめていますが、それらを包み込んでいるのがやはりしっかりとしたパン。
カイザーゼンメル

毎日普通に食べられる、何と言うんでしょうか、トータルでとてもまとまった味と香りです。気が付くと食卓の舞台の真ん中に居る名俳優という感じでしょうか。
そして、イメージの転換その四
④甘パン系が旨い
ドイツパンは質実剛健、硬派ダ!のようなイメージを勝手に持ってしまっていましたが、いやいや、甘~いパンも豊富で美味し~のです。
森鷗外もエリスのモデルになった女性(「舞姫」)と二人でブランデンブルク門の下、甘~いドイツパンを食べていたのでしょうか。
KLEINER BÄCKERさんに入ると右側に甘パンたちが待っています。
リンツァートルテ

オーストリア発祥の焼き菓子です。
見た目より柔らかな歯触りです。キイチゴ?のジャムの酸味。シナモンの香り。あと何かのスパイスか?両頬の奥に入り込んで滲んでいくような甘酸っぱい風味。品のあるトルテです。
クノーテン

生地に練り込まれたような甘みが、ほのかにレーズンを語ります。振りかけられた砂糖粒と一緒になるとちょうどいい甘さ。抜群の平衡感覚だと思います。
シュネッケン

またやってしまった・・・。感想メモがどこかに・・・。
でも、ご覧になればお分かりですよね。アイシングされた砂糖の甘みとこんがり焼けた生地。カタツムリのように巻き込まれた作り故に部分部分で甘みを味わえます。
ドイツパンはとても魅力的です。幅も高さも奥行きもある世界です。かと言って食卓で主役に躍り出ようとはしない奥ゆかしさもあります。
同じ食卓で言うと備前焼の器のようでしょうか。彩りで飾る釉薬を使わず、奇をてらって形作らず、自ら語り出さずという感じです。でも、ドイツパンも備前焼も窯で焼かれた後、手練れの職人がどのような仕事をしたのかを静かな熱意をもってささやき続ける饒舌さを持っています。そして、いつの間にか食卓で一番愛される無くてはならない存在になるのです。
KLEINER BÄCKERさんのパンをいただいて、本当にドイツパンのイメージが変わりました。
有難うございました。感謝します。
皆さんも是非その奥深い魅力を味わい知ってくださいませ。
ドイツパンのお店 KLEINER BÄCKER(クライナーベッカー)
住 所:江東区南砂4-5-15
営 業:月曜日・火曜日がお休み
水曜日・木曜日・金曜日 AM9:00~
土曜日・日曜日 AM10:00~
それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」

