木場公園の東側の路地を自転車を押しながらでもブラブラしてみましょう。
と、そこに行列が・・・。

そうです。S.Igarashiさんです。
2021年の開店以来、行列が途絶えることがありません。
有名店ですのでかなり遠くからもお客様がいらっしゃいます。

まずは店内。

何と表現すればいいんでしょうか。お菓子の家の中のパンの花園。

「ポイキロス」という言葉があります。古代ギリシャ語で「色とりどりの」「様々な」という意味だそうですが、「様々なる意匠」(小林秀雄)ならぬ、「ポイキロスなるパン」で店内は華やかに彩られているという感じです。

実際、「四季を感じる」というのがS.Igarashiさんのコンセプトの一つで、半分以上が季節限定のパンだそうです。その季節の花たちにこうして囲まれると、いつ訪れてもうっと~り夢の中。

パンたちの紹介の前に一つ。
S.Igarashiさんでは、購入したパンを包む袋にそのパンの名前と材料・特徴等が記されているのです。
読むのも楽しいですし、とても親切ですよね。そのようなお客様への気遣いのために手間を惜しまない特質は、当然お店の雰囲気とパンに表われていると思います。
行列が絶えない理由の一つなんでしょうね。

では購入したパンたちのご紹介(一部ですが)。

南の香り(ハーフ)

一口目はまず酸味。噛みしめるとジワリと出現する甘みがその酸味と合わさり、ほのかな香りが鼻を抜けていきます。さらに噛みしめていくと強めの塩味を感じるだけでなく旨味も強く感じます。ですから食べ応えあります。
パッケージには糸島産ミナミノカオリ使用とあります。福岡県の糸島半島付近の特産なのでしょうか(私、福岡で暮らしていたことがあるので糸島半島にもよく行きました)。調べてみると、同じ西日本系でもミナミノカオリはニシノカオリと比べて製パン性が良く、タンパク質含有率も高いそうです。

北の香り

九州から北海道に飛びましょう。キタノカオリ小麦が使われています。
上質さを感じます。高加水パンですので水・小麦・塩の折りなすモッチリとした楽曲を味わい知ることを意識させます。少し温めるとフワフワになり甘みが増します。
キタノカオリ小麦は当然北海道産。ミナミノカオリ小麦同様に高蛋白質で栄養価の高い小麦だそうです。でも、近年生産量が減ってきてしまっている貴重な小麦のようです。

S.Igarashiさんのさらなるコンセプトの一つは、素材に国産のもの、かつ出来るだけ各地方の個性あるものを使うということだそうです。ミナミノカオリにしてもキタノカオリにしてもパンの命名からして、コンセプトを体現しておられることが分かりますね。

全粒粉スコーン

ほろほろになる直前のさらさら感を感じます。そのため、全粒粉ながらものどに詰まることなくとても食べやすスコーンです。バター(当然国産)の香りが口内・鼻腔に広がるのも魅力です。

ブリオッシュ

なんだかとっても可愛いですよね。甘みはスウィーツ寄り、大きさも適度でペロリです。

バゲット

クープや気泡について書く必要もないですよね。シンプルにカリッ、フワッ、モチッ。甘み、酸味、塩味。う~ん!

明太子フランス

表面上部と真ん中に明太子。うちのかみさんのお気に入りです。バゲットの香ばしさと明太子がボリバレント!新しい明太子の調理法?と思えるほど美味です。バターの用い方故でしょうか?

あんバターサンド

こっ、これっ! もう何も書く必要ないですよね。この画像だけでもう分かります!あとはほおばるだけ!でも、超重量級だぞ~。

クロッカンショコラ

甘さをギリギリまで抑えてあります。層になった生地、チョコ、クルミと・・・あとなんだろう?レーズンかプルーンを刻んだものでしょうか。それらが均一にキャラクターを主張する四重奏曲。でも、音はザクザク、バリバリ。月曜日限定で~す。

ピスタチオのエスカルゴ

まずピスタチオの香りが鼻をくすぐります。噛みしめるとほのかな酸味を真ん中に感じ、爽やかな甘みが残っていきます。

ブリオッシュクレーム

袋の説明を見ると「パティシエールクリームがたっぷり」と書かれています。
そうなのです。S.Igarashiさんにはパティシエールの方がいらっしゃるのです。ですから甘パン系にもとっても気品があるのです。
ハード系はもちろんのこと、甘パン系をお目当てに訪れるのもお薦めです。

てなことで・・・、何回も訪れてしまっていたせいなのか、レポートメモを紛失・・・。
なので、以下は写真のみです。
(そうですよね。ろくでもない私の感想なんて不必要ですよね。)

クロワッサン

アオサと生ハム

パンスイス

れんこんガレット

ラムレーズン

渋皮栗のブリオッシュ

熟成ハムと発酵バター

冬のりんご

バラエティあり過ぎですね。
本当にいつ訪れても新しい出会いがあります。

S.Igarashiさんのコンセプトのもう一つが「組み合わせを考える」だそうです。
既述したものも まとめると
・素材にこだわる(国産、各地方の個性あるものを用いる)
・四季を感じる
・組み合わせを考える(素材のブレンドだけでなく、ともに食すものとのブレンドも)

確かにこれらにより、ポイキロスな美味しいパンが美しい花々のようにお店で出迎えてくれます。

古代ギリシャ語の「ポイキロス」は、「色とりどりの」「様々な」の意味から派生して、「どのような状況にも対処できる」との概念とも合わせて用いられるそうです。

高級感・華やなイメージのあるS.Igarashiさんですが、実はお子さん連れにもとても人気があり、そしてお子さんたちにもとっても親切なんです。 

素材と組み合わせを吟味しその季節季節に合わせたパンは、どんな年齢の方にも、どんなお客様にも笑顔で「対処」できうるのです。

そんな素敵なお店へぜひあなたも。

あっ、ネットでも購入可能ですので、自転車ではとても行けない場所にお住まいの方も是非!
(S.Igarashiさんのホームページをご覧ください。S.Igarashiで検索しますとすぐに出てきます。秋田の友人もお取り寄せしています。)


 Boulangerie S.Igarashi
 住 所:江東区木場3-8-10
 営 業:10:00~15:00
     定休日無し

2号店も出来ました。
 エスタージュ(se feuilletage)
 住 所:墨田区業平1-21-5
 営 業:10:00~15:00
     不定休


それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」


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