「桃李不言 下自成蹊」(「史記」司馬遷)

木場公園から三つ目通りをほんの少しだけ南に下りましょう。木場の交差点を過ぎ、すぐサンテルードさんがあります。
サンドイッチのお店です(おにぎりもたくさんあります)。

開店は朝の5:30!それでも、たくさんのお客様が来店されるのです。
早朝から自ずと道(蹊)を成している(下自成蹊)と言えます。

早朝にもかかわらずお客様が大勢いらっしゃるのには当然理由があります。

まずは物凄いボリューム!ロールパンタイプのサンドイッチでもこの通り。

そしてそして、はっきり申し上げてすべてとても美味しいのです!

では店内のご紹介から。

入って右側は冷蔵棚です。

真正面には出来立てが、お客様を待っています。

でも、「待っている」と言っても、奥の厨房で作っても作っても、ご覧の通りどんどん売れていってしまうのです。

その反対側はおにぎりのコーナー。

種類も豊富ですね。

では、サンドイッチのご紹介。

デラックスポテトサンド

雑誌dancyuさんでも特集を組むくらいポテトサラダは、お店によって千差万別。バラエティに富んでいます。
サンテルードさんのポテトサラダ(写真では上側のサンドイッチに使用)はさっぱりとして爽やかさえ感じさせます。朝にピッタリです。それよりも他の具材、そしてパンとの調和を感じます。チーズ、トマト、シャキシャキのレタス。それぞれが出しゃばることなく、サンドイッチを構成していると言えます。
写真の下側のサンドイッチには、贅沢にもロースハム。たまご、チーズ、お野菜と混然として美味です。まさにデラックス!

ハムカツサンド

なんなんだ!? このボリューム!これハムカツ!? ステーキじゃないの?という位の分厚さで圧倒してきます。
片面にはからしソース、もう片面にはケチャップソース。出来立てだったので、暖かでサクサク!朝から、満腹大満足!

ハンバーグ

中身があふれています。いやっ、あふれかえっています!
一口噛むと意外なことに甘みを感じます。そして噛みしめていくとハンバーグが主体ながらもたまご・マヨネーズ・きゅうり・レタスが混ざり合ってコクを感じ始めます。
やっぱりこれだけでおなかいっぱいです。

ローストビーフ

ローストビーフが贅沢です。そして具材もバラエティい~っぱいという感じです。全体に噛みしめるとコクを感じますが、あっさりとした味付けです。う~ん、朝なのにもうディナーを味わいたい方是非どうぞ!

ミックスサンド

卵について書かせていただきます。薄めの味付けで卵の風味を生かしています。濃い味付けでごまかすようなことをせずに、素直とさえ言える丸いまろやかなお味です。本当に毎日食べたいサンドイッチです。

白身魚のフライ

ロールパンタイプで小さめですが「魚」を感じます。というのはコンビニやハンバーガーショップのように、噛みしめてもいわゆる「抜け」の感覚が無いフライだからだと思います。ソースは酸味がとてもいい具合です。

エビカツ

酸味が爽やかなチリソースを使っていますが、後から甘みも加わってきます。そのためかやはり朝にもピッタリのお味です。


ご覧になっていただいたように、すべてが物凄いボリュームなのです。そして、本当に美味しいのです。素朴感と家庭感がにじみ出ていますが、とにかくどれもこれも美味しいのです。

その理由をお尋ねすると、「毎日のように来られるお客さんに不味いものを食べさせるわけにはいかないので」ときっぱり。

実際、下のおにぎりも備蓄米など当然使わず、その時手に入る一番の品質のお米を使い、海苔は特級を使っておられるそうです。
(えっ?「自転車で行けるパン屋さん通信」なのに、おにぎりをなぜ紹介するのか? だって弊社は「もっとお米を食べようね社」なもんで)

たらここんぶ


こんぶにしてもたらこにしてもやはり中の具材のボリュームが凄いんです。それだけではありません。たらこは焼き具合がミディアムレアです。表面はカリッ焼かれていますが、しっとりとした中心部がご飯にまあよく絡むこと!

うめ明太子

ボリューム感をお見せしようと明太子おにぎりを半分に切ってみたのですが、おにぎりの半分が明太子か!? というぐらい入っていますよね。梅干しはかなり上質なものを使っていらっしゃいます。


「桃李不言 下自成蹊」(桃李もの言わずとも 下自ずから蹊を成す)。桃李成蹊と略して言われることもありますが、良い言葉ですよね。桃やスモモは自分をアピールしたり宣伝することはありません。でも、本当に美味しいのならば、人々が自然とそこに通い、知らぬ間に自ずと蹊(小道)が出来上がるのです(つまり、本当に愛される人の周りには自然とみんなが集まってくるということだそうです)。

サンテルードさんの立地はそれほど目立つ場所にはありません。まして特に宣伝もしておられません。それどころか多くの人がまだ白河夜船かもしれない時間帯に開店をしています。それでもたくさんのお客様が通っておられるのです。

今、メインで切り盛りしておられる娘さんのお母さまがお店を始められて40数年(お母さまは今でも厨房で大忙しです)。なんとその頃から通い続けておられるお客様もいらっしゃるのです。

桃李成蹊の言葉を当てはめるのは決して大げさだとは思いません。

というのは、40数年前にお店を始められた場所と現在のお店の場所が異なっているにもかかわらず(かなり前の木場交差点の区画整理のため、当初のその場所から現在の場所に移られました)、前述のように通い続けられるお客様に加えて、新たなお客様が通い続けておられるからです。

立派な「蹊」が出来上がっています。

とりもなおさず、それはサンドイッチとおにぎりの美味しさ故です。否、それらを40数年間も作り続けておられるサンテルードさんのご家族の誠実さ故にほかなりません。

「利益が無くても、お客様が喜んでくださればそれでいい」と泣けるようなことをおっしゃって下さっているのです。「家族経営だから出来るんですよ」とはおっしゃいますが、出来ることではありません。でも、だからこそサンテルードさんへと向かう蹊が自ずと成すのです。

こちらのサンドイッチとおにぎりを食べたら、もうコンビニで買うのはアホらしくなりますよ。本当に。それに、それらに加えてワンパックお惣菜というストレートパンチもあるんだもん。

あっ、お店のお名前! これこそがサンテルードさんの全てを表していると言えます。
その由来をお聞きすると、「アハッ、父の名前がテルオだからですよ。サントリーもそうでしょ」(サントリーの名前の由来:「サン(太陽)」と創業者の「鳥井」をかけたものだそうです)と教えてくださいました。

う~ん、この諧謔感覚!? これが長年続けられる本懐なのか・・・。
(テルオお父さまは、お店で会計を担当しておられます)

とにかく絶対にお奨めのお店です。是非行かれてください。
ただし、通常ですと10時ごろには売り切れてしまいます。早起きしてくださいね~。

 サンテルード
 住 所:江東区木場6-11-9
 営 業:月曜日~木曜日
     AM5:30~売り切れまで

それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」


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