今号は可愛らしいアッケちゃんが迎えてくれるパティスリー アッケさんです。
(「パンも売っているパティスリーさんーその3」)

御存知の方も多いと思いますが、以前はこちらの場所はパティスリーコラージュさんでした。
コラージュさんのご事情もあり、2024年8月からこちらで働いておられた現パティシエが引き継ぐ形でアッケさんを始められたそうです。

店内には木目調のテーブルと椅子も用意されています。落ち着いた雰囲気を作り出し、とても居心地のいい空間です。
ガラスケースディスプレーには美味しそうなケーキが並び、アッケちゃん同様 可愛らしく微笑みかけてきます。

向かって左側にはクッキーなどの焼き菓子がみんなで遊んでいるかのように嬉しそうに出迎えてくれます。

ほらね、カバさんもいるし(この棚には動物クッキーがたくさん並んでいますよ~)。

そしてパンたち。


ガラスケースの上に落ち着き払ってお客様を待っています。
落ち着いているというのは、アッケさんのパンたちは甘~く可愛らしいスィーツとは対照的な特徴を持っているからです。
まずは、
ロッゲンブロート

手に取るとその重量感にビックリ。包みを取るとその強い芳香にもビックリ。口に含むと酸味、さらに噛みしめていくとまたより一層強い酸味にもビックリです。さすがライ麦黒パン!そして酵母はサワードゥ!生ハム、トマト、チーズと一緒に食べてみると、もう食事パンの王道です。
サワードゥのライ麦パンでありながらも、画像をご覧になるとお分かりのように適度な厚さにスライスされているので、とても食べやすいです。このスライスからはアッケさんの親切な心遣いも感じ取れます。
グラハムパン

こちらもやはりコンパクトなのに重~い。そして、角の取れたまろやかなバターの香りをさらに磨いたような芳香が本当に鼻をくすぐります。
重量がありグラハム粉なのに食べると軽やかさを感じ、とても食べやすいです。グラハム粉だけでなく製粉過程を経た小麦粉も混ぜているためと思われます。その割合が絶妙なのでしょう。一口目からは麦の香りが目立つのですが、噛みしめていくと爽やかなバターの香りがほのかに鼻から抜けていきます。軽やかさを感じさせながらも食べ応えはかなりのものです。よって食事パンとしてどうぞ。
スコーン

ソフトな口当たりのスコーンです。そして中心までしっとり感があります。パサパサしたスコーンでは全くありません。バターの香りがたおやかで、甘みは清々しさを感じさせます。スィーツに近いスコーンと言ったらいいでしょうか。でもコクも十分感じられます。おそらくこれは贅沢にもクレームドゥーブルを使っておられるのも一因でしょうか。これは絶対に賞味すべきスコーンです。
バゲット

包みを開けると柔らかな香りがほんのりと立ち昇ります。そして生地も柔らかめで、とても食べやすいバゲットです。切れ目からもお分かりのように気泡もしっかりとしています。噛みしめると麦の香り、そしてほど良い塩味。トーストすると香りと味がよりはっきりとしますが、生地は適度な硬さを保って、これまたとても食べやすいです。正統派バゲットとしてシンプルでありながら、とても食べやすいので毎朝でもOKです。
カヌレ

カヌレがパンの範疇に入るかどうかはともかく、このブログでは過去何回もカヌレを扱わせていただきました。
アッケさんのカヌレは外側も柔らかめです。一口含むとラム酒の香りと苦みが広がっていきます。でも、噛みしめていくと甘みが全体から取り囲むように加わっていきます。コンパクトな室内楽の多重奏曲のようです。そして全体で重なった風味はと言うと、まさしく❝蜂蜜❞です!それも上質の。とっても美味しいです。
パンだけではなくスウィーツもご紹介したいと思います。
もも。(←なぜか句点が付いているのです!)

ご覧ください!桃がド~ンです!まるまる一個をそのまま使っていらっしゃいます。お店のスタッフの方(パティシエのお母さま。もうお一人のスタッフのお兄様はとてもカッコイイ方です)に「お薦めはどれですか」とお尋ねすると、「今の時期ですと・・・」と薦めてくださったのがこちらです。
皮がとても丁寧に剝かれ、割ってみると種が抜かれた部分に粘性の高いカスタードクリーム。とにかく甘さを本当に極限まで抑えて桃本来の甘みと風味が生かされています。その甘さと風味のバランスを取るために試作を繰り返されたそうです。絶妙です。
なによりも瑞々しさを感じさせるスィーツです。まさに「一品」と言えると思います。
今はもうほとんど使われなくなった言葉ですが、「水菓子」という言葉を当てはめてもいいのではないでしょうか。この言葉は本来「果物」を意味しますが、アッケさんのこの「一品」はまさしく「菓子」と「果物」の見事な融合作です。季節物なので、お店にお急ぎください!
(でも、アッケさんは季節に合わせてスィーツを作るのお得意のようです。「もも。」が無くても新しい出会いが待っているはず・・・。)
シュークリーム

甘みが押さえれれているのですが、コクを感じます。2種のクリームが使われているためでしょうか。複雑さが口内でクルクル回り出す感じがして、楽しくいただけます。
クレームブリュレ

実はこのクレームブリュレ、ディスプレーケースの中に入っている時はこの色ではないのです。白いのです。注文をいただいてから工房で表面をキャラメリゼしてくださいます。
それよりも驚きなのは、その口触り。こんな口触り舌触りのクレームブリュレは初めてです。いえっ、クレームブリュレに限らずこのような感覚のものを口に入れた記憶が無いように思えます。なんと表現したらいいんでしょうか、まったりとして崩しきれないような微妙な弾力、舌の上で転がすと小さな風船がふくらんでいくような・・・。それでいていつの間にか心地良くそして儚く溶け行くような・・・。とても魅力的です。
絶対に食すべしです。断言します。
お店のお名前、そしてキャラクターのアッケちゃん。ちょっと変わっていますよね。
その理由は? お聞きすると、北海道は厚岸(あっけし)からとられているそうです。パティシエの御出身地だそうです。故郷愛に溢れていますよね。
アッケちゃんの形は厚岸町の形で顔の部分は厚岸湾のようですね。
お店の棚にも・・・

厚岸町のパンフレットが置かれています。その横にはアッケちゃんの手ぬぐいも(欲しい~)。
素材も出来るだけ北海道産を使っておられることからも郷土愛を感じ取れますね。
小麦粉は主に北海道産のシリウス。そしてバターは厚岸町に工場がある高梨乳業さんのものを使っておられるそうです。
そのような愛情あふれるパティシエの作られるスィーツやパンにも当然その一味が十二分に加えられています。
皆様も是非その味をお楽しみください。
パティスリー アッケ
住 所:江東区牡丹3-18-11
営 業:11:00~
定休日が月曜日
それでは失礼いたします。
「もっとお米を食べようね社」